むし暑い

むし暑い

教育の窓・ある退職校長の想い:妹の三回忌 義弟のふるさとで

姪のご夫君には、昨年もお会いしたが、彼の日本語は、さらに上手になっていた。もっぱら、姪夫婦の通訳で、ご両親とお話することができた。

「日本の暑さはどうですか。むし暑いでしょう。」

この、『むし暑い。』が、ご夫君には理解できなかった。『むし』から、『虫』を連想したようだ。姪が通訳。やっと理解。とたんに、上着をパタパタさせるしぐさをして、笑わせた。

「フランスに、そういう言葉はありません。だから、『暑い』と『湿度が高い』とを合わせて言います。」

これは流暢な日本語で、言った。

「そうだろうね。向こうでは、『むし暑い』という天気はないのだろうから。」

「はい。ただ、暑い。それだけです。」

ロシア語は一語で言えるよね。向こうでは、「むし暑い」という天気はないのだろうけど。