油脂

油脂

閑話傍題(アネクドートの小部屋): ロシア語珍問奇問第16回

油脂という語は常温で液体(油)と固体(脂)であるものを示している。ロシア語ではмаслоとжирがあるが、маслоは乳脂肪、植物の種由来の油、鉱物性の油を指し、жирは一般的に動物の体に蓄えられた脂肪分(живодтные жиры 動物性油、には乳脂肪も含まれる)だが、例外的にрастительные жиры (= растительные масла、種や実から採った油分)ともいう。必ずしも常温で固体という意味ではない。ヘット(牛脂)はговяжий жирで、ラードはлярд, смалецとかсвиной жирだが、ロシア人には塩漬けにしたшпик (шпек)のほうが分かりやすい。салоはжирと同義語だが、現代では動物の皮下脂肪層подкожный жировой слойを指すのが普通で、свиное сало(豚の脂身)などと使う。会話ではсалоは特にウクライナ人の好むもので、酒の肴である。皮脂はкожное салоという。рыбий жирは肝油(タラなどの肝臓から取れる)であって、魚油(イワシやニシンを煮て取った油)ではない。閑話傍題(アネクドートの小部屋): ロシア語珍問奇問第16回